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2016年9月14日 財産分与等の請求には期限があります
ネットの記事で有名な芸能人の方が財産分与申し立てをしたという内容を見ました。
離婚する事が第一で財産分与の話までは出来なかったのかなぁと想像すると共に、財産分与の事についてあまり知らない人がこの記事を見た際に間違った知識にならないと良いけどと心配にもなりました。
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■財産分与等の請求には期限があります
■編集後記
■財産分与等の請求には期限があります
間違った知識にならないと良いなと思ったのは、下記のような事です。
- 離婚後に財産分与の請求をすれば良い
- 財産分与は離婚後ならいつでも良い
- 「1.離婚後に財産分与の請求をすれば良い」について
もちろん、離婚後に財産分与の請求をしても問題ありません。
しかし、以下の問題点があります。
- 離婚してすぐに財産分与として財産を得られないので、離婚直後に必要な資金とする事が出来ない。
- 離婚後にお互いが遠くの場所に暮らす場合には、円満に協議離婚をした場合でも財産分与の話し合いが難しくなります。
- 相手方が離婚してしまえば他人と考える場合には真剣に財産分与の話し合いが出来ない事もあります。
- 相手方の財産調査は、離婚後の方が難易度が高いと考えられます。
財産はどうでも良いから離婚したいという方を除いて離婚の話し合いの時に財産分与についても話し合う事をお勧めいたします。
財産分与の請求は一定の期間内に行わなければ、権利が無くなってしまいますので離婚後に財産分与の請求をしようという方はご注意ください。
期限は、離婚の日から二年以内です。
当事者間で財産分与について決める事が出来ない場合には、離婚の日から二年以内に家庭裁判所へ財産分与請求調停を申し立てなければなりません。
申し立ての際に必要な書類もあります、二年あるからと余裕と思わないようにした方が良いです。
〜民法の抜粋(ここから)〜(財産分与)
第七百六十八条 |
協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。 |
2 |
前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。 |
3 |
前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。 |
〜民法の抜粋(ここまで)〜
離婚の際に決める事で期限があるのは、財産分与だけではありません。
下記にも期限があります。
- 慰謝料の請求
- 年金分割の請求
○「a.慰謝料の請求」について
相手方が婚姻中に浮気をした場合等には、慰謝料の請求が出来ますよね。
この慰謝料ですが、民法では「不法行為による損害賠償」と言います。
尚、慰謝料は、請求できる期間に制限があります。
例えば浮気の場合ですと、浮気の事実を知った時から三年以内に慰謝料の請求を行わなければなりません。
また、浮気の時から二十年を経過すると慰謝料が請求出来ません。
請求できる期限の起算日が、離婚した日では無い事に注意が必要です。
〜民法の抜粋(ここから)〜
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 |
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 |
(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)
第七百二十四条 |
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。 |
〜民法の抜粋(ここまで)〜
○「b.年金分割の請求」について
合意分割制度や3号分割制度を利用される場合の請求期限は、「離婚等をした日の翌日から起算して2年以内を経過していないこと」となってます。
様々な書類を用意しなけれななりませんので2年あると思わずに早めに対応されます事をお勧めいたします。
■編集後記
調停の申し立ての書類作成は司法書士さん。
年金に関しては社労士さん。
私は、いったい何処に相談に行けば良いの・・・
そういう方が多いのですが、弊所にご相談頂けましたら、優しい司法書士さんや社労士さんを紹介する事が出来ます。
…もちろん、紹介料なんて発生しません。
行政書士としての業務が受任出来る場合には、司法書士さんや社労士さんに書類を渡したりする雑用も弊所が引き受けます。
…もちろん、そんな雑用で報酬は頂きません。
弊所は、メール・電話・対面の方法を問わずに初回のご相談料が無料です。
是非ご利用ください。