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2015年03月18日 再婚したら養育費って
今回は養育費について書きます。
■再婚と養育費
■編集後記
■再婚と養育費
<1.養育費について簡単にご説明>
養育費は別れた子の為に支払うお金です。
しかし、直接別れた子へお金を払う人はほとんどいません。
多くの場合、離婚した元配偶者が子の代わりに養育費を受け取ります。
そうしますと、元配偶者へ養育費を支払っているような錯覚に陥りがちですが養育費は子の為のものです。
また、養育費は収入から自分の生活に必要なお金を引いた残りではありませんのでご注意ください。
<2.再婚と養育費>
それでは、離婚後に子を引き取った元配偶者が再婚した場合は、どうなるのでしょうか?
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基本的には、養育費の額はそのままです。 |
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しかし、再婚によって経済事情が大きく変わった場合には、養育費の額を変更して欲しいとの申し出が可能です。
変更というのは、増減両方の可能性があります。
a) |
元妻が再婚によって自分自身が使えるお金が大きく増えた場合
… |
養育費を払っている元夫が減額してと申し出る事が可能です。 |
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b) |
元妻が再婚によって自分自身が使えるお金が大きく減った場合
… |
再婚した相手の収入は少なく、再婚相手との間に子が出来た為、生活がとても苦しくなった場合等が考えられます。この場合、元妻が養育費の増額を申し出る事が可能です。 |
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c) |
養育費を払ってる側が再婚によって生活がとても苦しくなった場合
… |
再婚した相手との間に子が出来た為、生活がとても苦しくなった等が考えられます。
この場合、養育費を払ってる側が養育費の減額を申し出る事が可能です。 |
※ |
養育費の額の変更は、元夫婦間でお話し合いとなります。
元夫婦間でお話し合いが成立しない場合には、調停へ進みます。 |
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<3.普通養子縁組と養育費>
上記2.から更に進みます。
再婚相手が元配偶者とあなたの間の子を養子縁組した場合には養育費はどうなるのでしょうか?
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基本的には、上記2.とあまり変わりません。
但し、上記2.の場合は、あくまでも別れた元配偶者の経済状況で養育費の変更を考えます。
しかし、再婚相手と養子縁組をしますと、再婚相手の経済状況も含めて養育費の変更を考えます。
ざっくり結論ですが、3.の方が養育費の変更が認められる可能性が高いと思われます。 |
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養育費以外に以下の点に注意が必要です。
・再婚相手の推定相続人となる。
… |
下世話な話ですが、、以下のような場合は、養子縁組によって養育費が減額またはゼロとなっても、子の福祉になるかなと思います。
@ |
再婚相手が超お金持ち |
@ |
再婚相手との間に子がいない |
※ |
再婚相手との間に子がいない場合、超お金持ちの再婚相手の相続人に再婚相手の父母祖父母等の直系尊属か兄弟姉妹が登場してきます。
そうしますと相続分も減る&話し合いが大変と困った事になる可能性があります。
しかし、子を再婚相手に養子縁組して貰えれば、相続人に再婚相手の父母祖父母等の直系尊属か兄弟姉妹は登場してきません。 |
※ |
養子縁組する再婚相手の方は、注意事項があります。
婚姻と養子縁組は別々の行為です。
つまり、万一、将来、離婚するような事になった場合、離婚だけでは養子縁組は解消されません。
養子との離縁という行為も必要となります。
そのような事も良く考えて養子縁組をする必要があります。 |
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<4.特別養子縁組と養育費>
あまり無いケースだと思いますが、特別養子縁組を行った場合はどうなるのでしょうか?
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特別養子縁組の場合、実方の血族との親族関係が終了します。
つまり、実の父母とは法律上「赤の他人」となってしまいます。
ですので、実の父母は養育費の支払い義務がなくなります。
また、普通養子縁組と異なり実の父母の相続権もなくなります。 |
■編集後記
離婚の際には、離婚協議書を作成しましょう!
早く離婚したい、顔も見たくない、話し合いはストレスが溜まるからと離婚届だけサインするのは、ストレスの先送りです。
先送りされたストレスは利息付きで帰ってくる可能性大です。
離婚前にきちんと話し合いをして協議書を残しましょう。
アイビー行政書士事務所は、離婚協議書の作成支援を誠心誠意行ってます!
是非、お気軽にご相談ください。