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2014年12月17日 親権について
先日、80代後半の方から離婚に関しての相談を受けました。
その方には、未成年の子はおらず親権の検討は不要だったのですが、私どもの事務所へ離婚のご相談に来られる方のほとんどは、未成年の子がいらっしゃるので親権の検討が必要です。
ところで、親権を行わなければならない子がいる離婚ってどれくらいあるのだろう???
■親権を行わなければならない子がいる離婚の統計
■離婚後にやっぱり親権が欲しい
■親権を行わなければならない子がいる離婚の統計
厚生労働省のホームページには離婚の統計があります!早速見てみました。
平成20年のデータですので、少し古いのですが、以下に報告します。
〜全年齢で見ると〜
1. |
離婚の際に親権が必要な子がいる夫婦の割合は?
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57%ちょっとです。 |
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離婚される方の過半数は、親権が必要な子がいるという事ですね。 |
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2. |
親権は、夫と妻のどちらが持つのか?
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妻が全ての未成年の子の親権を持つ割合 … 82.06% |
→ |
夫が全ての未成年の子の親権を持つ割合 … 14.32% |
→ |
複数の未成年の子の親権を夫妻で分ける割合 … 3.62% |
※ |
圧倒的に妻が親権者となる割合が多いという事ですね。 |
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〜年齢別で見ると〜
1. |
離婚の際に親権が必要な子がいる夫または妻の最年長は?
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夫の年齢が、80〜84の離婚で3件あります(総数は337) |
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妻の年齢が、70〜74の離婚で1件あります(総数は1406) |
※ |
年配者の離婚だからといって親権は関係無いとは言えませんね! |
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2. |
夫が親権者となる割合は年齢によって変わる?
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夫の年齢が、15〜19の離婚が一番低い
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全ての未成年の子の親権を持つ割合 … 5.53% |
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一部の未成年の子の親権を行う割合 … 0.25% |
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夫の年齢が、40を超えると親権に関わる割合が20%を超える |
※ |
年齢が若い夫は親権者にならない方が圧倒的に多い事や親権者になる割合は多くても3割には達しない事が分かります。 |
※ |
年齢が70を超える離婚では、親権が必要な子がいる離婚の件数が少ないので、親権に関わる割合の対象としては見ませんでした。 |
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〜興味がある方は〜
以下をご参照下さい!
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon10/03.html
または
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon10/index.html
■離婚後にやっぱり親権が欲しい
離婚後にやっぱり親権が欲しいと思う方もいらっしゃいます。
その中には、「早く離婚したいから」とか「離婚後に親権者変更すれば良い」と思う方もいらっしゃるようです。
しかし、親権者の変更は、必ず家庭裁判所の調停・審判によって行わなければなりません。
離婚後に相手方と交渉するのは、精神的に負担だと思います。
ですので、親権が必要と思う(きっと必要になると思う)等がありましたら離婚時になんとか交渉する事をお勧めします。
しかし、どうしても難しい事もありますので、状況に応じた対応が必要となってくると思います。
そのような場合には、ご自身だけで判断せずに専門家に相談する事を強くお勧めします。
また、子供の親権が本当に欲しいわけでは無く、相手方への嫌がらせを目的に離婚の条件にされる方もいらっしゃるようです。
親権は子供の為に必要なものであって交渉の材料ではありませんのでその事を一番に考えて行動される事を願います。
親権者変更についての詳細は、裁判所のホームページをご参照下さい。
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_07_10/