遺言書を公正証書で作成したり、専門家に相談すると高いと思う方が多いようですが、実際には安いのですよ。
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■遺言書は安い!
遺言書を作る時にお金を払う方と、相続のお手続きの際にお金を払う方は別の人ですよね。
”〇〇の時にお金を払う方”や”△△の時にお金を払う方”では、なんだか分かりずらいので、下記のような家族を想定してみましょう。
<想定その1>
- 父
- 母
- 私
- 弟(30年前にアメリカに行ったきり、どこで何をしているか不明)
もし、このような家族構成の場合に父が遺言書を作らなかった場合、どうなるでしょうか?
弟と音信不通の状態です。
生きてるか死んでるか分かりません。
しかし、弟は、父の相続人の一人です。
彼がいなければ、遺産分割協議書を作成できません。
大変困った状況です。
このような時、どうするかと申しますと、弟さんの為に家庭裁判所へ不在者財産管理人を選任して貰う必要があります。
しかし、私には、そのような能力や時間がありません。
そうしますと、選任の申立てを司法書士さんや弁護士さんにお願いをすることになります。
そうしますと、司法書士さんや弁護士さんへの報酬が必要です。
更に選任の手続きだけでなく、不在者財産管理人への報酬も必要となります。
遺言書を作成する際に必要となる報酬を大きく超える金額を支払わなければならず手続きに長時間かかる事になります。
このことを父が理解してくれたら良いのですが・・・
<想定その2>
- 夫
- 私
- 夫の弟(認知症で判断能力に問題が生じている)
もし、このような家族構成の場合に夫が遺言書を作らなかった場合、どうなるでしょうか?
夫の父母は亡くなっており、相続人は、私以外には夫の弟のみです。
夫の弟は、認知症で判断能力に問題が生じているので施設へ入所しています。
私と夫の弟が話し合いをして遺産分割協議書を作成する必要があります。
しかし、夫の弟とは、話し合いが出来ません。
このような場合、夫の弟さんの代理で遺産分割協議を行う方としてに成年後見人が必要となります。
では、後見人をつければ良いかというと、そんなに簡単には行きません。
後見人は、一度選任されると基本的には亡くなるまでいなくなりません。
基本的には、認知症が治るということが考えられないからです。
そうしますと、後見人へ支払う報酬がずーーーっと必要なのです。
もちろん、成年後見の申立てにも費用と時間がかかります。
遺言書を作成する際に必要となる報酬を大きく超える報酬を成年後見人に支払わなければならず、かつ、手続きに長時間かかる事になります。
このことを夫が理解してくれたら良いのですが・・・
自分の身近で大切な家族が、自分亡き後に面倒な手続きを行わなければならずに困ったり、想定外に大きな費用を支払わなければならなくなるようなことにならない為にも遺言書を作成されることを強くお勧めします。
遺言書を作る際にも、専門家に相談して作成することで思わぬ落とし穴がないかを確認して貰えますので、専門家に相談することをお勧めします。
■編集後記
不在者がいる相続のお手続きの案件が一昨日終わりました。
ご依頼は、昨年の6月でしたので、10カ月くらいかかった事になります。
この案件、実は、別の事務所が先に受任しており、1年かかって出来ないと放り投げられた案件でした。
不在者財産管理人選任が必要でしたので、弊所と提携する司法書士事務所と何度も相談をしながらやっと終わった案件です。
不在者以外の方々との連絡もなかなか難しく、その為、思った以上に時間がかかりましたが、依頼者様はとても感謝してくださり、やりがいがあった案件です。
しかし、この案件、遺言書を作成して頂いていれば、時間も費用も大変な節約となったのにと思います。
自分は関係無いと耳を閉ざさないで、お気軽にご相談頂けたら幸いです。
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