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2015年12月30日 認知症と遺言書

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■認知症と遺言書

認知症の方が増えているという事はお聞きになられた方が多いのではないでしょうか?
65歳以上の方の5人に1人は認知症に罹患するのではないかという予測もあるようです。

認知症に関連する話ですが、以下のような質問を頂く事があります。
  1. 認知症になったら遺言書は作れないのですか?
  2. 要介護3以上だと遺言書は作っても無効ですか?
皆様はどう思われますでしょうか。
少しお考え頂け下さい。

・・・

<答え>
  1. 作れます!但し・・・
  2. 作れます!但し・・・

すみません、なんだかすっきりした答えではありませんね。。
これは、「認知症だから」「要介護だから」という理由で遺言書が作れないという事では無いのです。

遺言書を作るには、遺言書を作るという意思と遺言能力がある事が必要です。
遺言能力とは、遺言の内容をちゃんと理解しており、遺言の結果どうなるかを判断出来る能力の事です。

その上で被後見人の方の場合には、医師二人以上の立会いが必要となります。

つまり遺言書を作るには

○被後見人の方の場合
「遺言書を作るという意思」+「遺言能力」+「医師二人以上の立会い」
○被後見人以外の方の場合
「遺言書を作るという意思」+「遺言能力」
となります。

しかし、世間はそこまで簡単ではありません。。
何故、「要介護3以上だと遺言書は作っても無効ですか?」という質問が来ると思います?

周りが見て判断能力が無いと思われる方が、特定の相続人に有利な遺言書を作成し、その事にその他の相続人がおかしくないかと疑問を抱くからです。
ですので、要介護であっても被後見人では無いから遺言書は有効だと決めつけるのは危険です。

特に自筆証書遺言の場合には、疑問を抱く方が多くなりがちです。

公正証書遺言の場合には、公証人の先生が「遺言書を作るという意思」と「遺言能力」があるのかを判断した上で作成されますので、疑問を抱く方が出てきそうであれば公正証書で遺言書を作成する事をお勧めいたします!

繰り返しでしつこいのですが、遺言書を作成するには、「遺言書を作るという意思」と「遺言能力」が必要な事を忘れないようにお願いいたします。
自分のために遺言書を作ってくれるのは嬉しい事ですが、自分のために遺言書を作らせるような事だけは絶対にしないようにしてください!!!

そのような形で作成された遺言書は、たとえ公正証書で作られていたとしても疑問を抱く方が出てきて揉める可能性がとても高いものです。

遺産相続こんなときあなたは・・・事例をご紹介しております




さて、被後見人の方の遺言に関してもう一つ注意点があります。
民法に被後見人の遺言の制限という規定です。

~民法抜粋~
(被後見人の遺言の制限)
第九百六十六条
被後見人が、後見の計算の終了前に、後見人又はその配偶者若しくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは、その遺言は、無効とする。

前項の規定は、直系血族、配偶者又は兄弟姉妹が後見人である場合には、適用しない。


後見人が遺言書を書かせる危険性を考えた条文だと思います。
しかし、だとしたら、2項の規定はそれで良いのかなぁとも思いますが皆様はどう思われます?

ここが分からない・こんな時は?等ございましたらお気軽にメールでご相談ください

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