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2014年12月24日 相続税の主な変更点と遺言書の効能

来年(平成27年)は、相続税が一部変更になりますね!
相続税、優遇される内容に関しては既に変更されていますが、来年は、ちょっと厳しい変更ですね。
街なかで「あぁ大変、相続税が~」なんてチラシも見ますが、それは少しやり過ぎじゃないかなぁと思います。
今回は、相続税の主な変更点と遺言書の効能に関してメルマガを書きます。


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 相続税の主な変更点

早速ですが、相続税の主な変更点です。
★変更点-1-『遺産に係る基礎控除が引き下げ…』★
これは、ほとんどの方がご存知な変更点だと思いますが、一応ご紹介。
<変更前>
5,000万円 (相続人の数×1,000万円)
<変更後>
3,000万円 (相続人の数×  600万円)

~例えば~
相続人が、配偶者と長男と長女の3人だった場合
<変更前>
5,000万円 (3×1,000万円) 8,000万円
<変更後>
3,000万円 (3×  600万円) 4,800万円

これが、街なかの「あぁ大変、相続税が~」なんてチラシに書かれているモノです。
確かに、相続税が他人事だった方も心配になる数字ですよね。
しかし、厳しい内容の変更だけではありませんので、冷静にです。

遺産相続こんなときあなたは・・・事例をご紹介




☆変更点-2-『小規模宅地等の特例が拡大&緩和!』☆
相続財産の中でも大きな財産は、不動産、特に土地ではないでしょうか?
父が亡くなったら相続税の為に、父と同居している土地建物を手放さなきゃと慌てている方にとって嬉しい変更です。

<変更前>
1. 特定居住用宅地等、240平方米まで
2. 居住用と事業用の宅地等の合計は、400平方米まで
<変更後>
1. 特定居住用宅地等、330平方米まで
2. 居住用と事業用の宅地等の合計は、730平方米まで
3. 適用要件の緩和(二世帯住宅、老人ホーム等への入居の場合)
適用要件等は、国税庁のホームページに詳しく記載されていますのでお時間ある時に詳しくお調べ頂ければ幸いです。

~例えば~
相続人3人が以下のような財産を相続したとします。
5,000万円の評価額の土地(小規模宅地等の特例を受けられる)
1,000万円の評価額の建物
2,000万円の現預金
<変更前>
課税遺産総額は、0。
相続財産が、基礎控除内の為
<変更後>
課税遺産総額は、0。
相続財産の中の5,000万円の評価額の土地に小規模宅地等の特例を適用させると、評価額が1,000万円となります。
その結果、相続財産は4,000万円で、基礎控除内となります。
小規模宅地等の特例を使用するには、相続税の申告が必要です。
変更前より手間が増えますが、この例の場合は相続税が課税されません。

★変更点-3-『相続税の税率構造が細分化&税率増加…』★
さて、小規模宅地等の特例を使用しても課税遺産総額が0にならなかった場合、まず相続税の総額を算出する事になります。
相続税の総額計算は、課税遺産総額を各法定相続人が法定相続分で取得したと仮定して各相続人毎に相続税を計算し、その値を合算します。
その各相続人毎に相続税を計算する時に使用される相続税の速算表が変更となります。
<相続税の速算表(変更前はカッコで表示)>
    ~1千万以下 税率10% 控除額0万 (同じ)
1千万超~3千万以下 税率15% 控除額  50万 (同じ)
3千万超~5千万以下 税率20% 控除額  200万 (同じ)
5千万超~1億以下 税率30% 控除額  700万 (同じ)
1億超 ~2億以下 税率40% 控除額1,700万 (同じ)
2億超 ~3億以下 税率45% 控除額2,700万 税率40% 控除額1,700万
3億超 ~6億以下 税率50% 控除額4,200万 税率50% 控除額4,700万
6億超 ~ 税率55% 控除額7,200万 税率50% 控除額4,700万
速算表自体は2億円超の方が負担増となっておりますが、、
そもそも基礎控除が減ったので、速算表を使用しなければならなくなる方が出てくる可能性がありますね。


~例えば~
相続人が、配偶者と長男と長女の3人
相続税の課税価格は、8千万円の場合
<変更前>
相続税の総額は、0。
相続財産が、基礎控除内の為
<変更後>
相続税の総額は、206万円。
8,000万円
(相続財産総額)
- 4,800万円
(基礎控除)
3,200万円
以下、相続税の速算表を利用して計算します。
配偶者分として、190万円の相続税
法定相続分は、1,600万円
速算表は、税率15% 控除額50万
1,600万円×15%-50万円=190万円
長男分として、8万円
法定相続分は、800万円
速算表は、税率10%
800万円×10%=8万円
長女分として、8万円
…計算は割愛
※蛇足※
この後にも様々な考慮すべき事象がありますが、それらを割愛して配偶者の税額控除のみ適用された場合
<配偶者の税額軽減>
被相続人の配偶者が取得した財産の課税価格が「1億6千万」または「配偶者の法定相続分相当額」のどちらか大きい方の金額までは、配偶者が相続税を払わなくてもよいようにしましょうという制度
1. 本当に法定相続分で財産を分けた場合
相続税額は、103万円。
相続税の総額は206万円です。
法定相続分で財産を分けたので配偶者は2分の1の財産を得た事になります。
その為、配偶者の相続税負担は、206万円の2分の1の103万円となります。
しかし、配偶者は、取得した財産が法定相続分相当額までは相続税を払わなくても良いのです。
つまり、配偶者が本来支払うはずの103万円の相続税が軽減されます。
…相続税の総額206万円-配偶者の税額軽減103万円
2. 配偶者が全ての財産を取得した場合
相続税額は、0万円。
配偶者の取得した相続税の課税価格は1億6千万円以下でその他に財産を相続した者がいないので0円となります。
配偶者の税額軽減を使用するには、相続税の申告が必要です。
変更前より手間が増えますが、この例の場合は相続税が課税されません。

☆変更点-4-『税額控除の引き上げ!』☆
相続人が未成年者だったり障害者の場合には、税額控除があることはご存知でしょうか?
今回の変更で、税額控除の金額が上がっております。
<変更前>
1. 未成年者の控除額・・・20歳までの1年につき6万円
2. 障害者 の控除額・・・85歳までの1年につき6万円
              (特別障害者は12万円)
<変更後>
1. 未成年者の控除額・・・20歳までの1年につき10万円
2. 障害者 の控除額・・・85歳までの1年につき10万円
               (特別障害者は20万円)

税額控除ですので、相続税が課税される~という場合に有効な制度です。
また、未成年者や障害者の相続税額よりも大きく引ききれない場合には、扶養義務者の相続税額から引くことも出来ます。

~例えば~
1歳の未成年者の場合
変更前は、120万円( 6万円×20年)
変更後は、200万円(10万円×20年)
 ・  35歳の特別障害者の場合
変更前は、  600万円(12万円×50年)
変更後は、1,000万円(20万円×50年)


遺言書の効能
相続税の変更点、長かったので疲れちゃいましたよね・・・
相続税と遺言書、一見関係なさそうですが、ちょっと関係あります!
相続税の変更点で書きました「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減」を利用するには、相続税の申告期限までに遺産分割が行われていないと
手続きが面倒になります。
あ、相続税の申告期限とは、相続のあったことを知った日の翌日から10ヵ月以内の事です。
亡くなられた方への気持ちがいっぱいで何も出来ないような状況でお葬式や49日などの様々な行事を行った上に10ヶ月以内に遺産分割しなければ、一旦「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減」を利用しないで相続税の申告をしなければなりません。

また、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付し提出
する事を忘れないようにしなければなりません。
更にその後、遺産分割を行い修正申告や更生の請求を行う必要があります。
相続税の基礎控除を超える場合には、速やかに遺産分割が行えないと各種の特例が利用出来ずに手続きが大変になり、出費も増える事になります。

亡くなる側としては、なるべくそのような心配事を相続人に残したくない方が大多数だと思います。
そこで、遺言書です!
遺言書があれば、遺産の分割を容易に行えます。

相続人の方は、
「これは自分が欲しい!」と言い出すのは抵抗あるけど、
「要らない!」と言ってしまうのも抵抗ある
といった心境になる場合が多いのではないでしょうか?
そんな時に遺言書があれば、亡くなった方の思いが分かり、その通りにしてあげようと考える相続人の方が多いのではないかと思います。

つまり、遺言書を書く事で、相続税の申告も滞りなく行え利用出来る特例は出来るという状況が作り出せる可能性があるかなと思います。

年末のお勧め
年末年始は、相続人の候補者達(子供達)とお会いになられる方も多いのではないでしょうか?
お会いになった際には、
相続人の候補者達が相続についてどのように考えているのか
相続人間の微妙な人間関係について
探りをいれる事もお勧めします。
親は、
自分の財産に子供は無関心
兄弟姉妹間は仲が良いもの
と考えがちですが、本当にそうなのか要確認です!

多分、子供の多くは、
貰えるものは全て欲しいと考えており
兄や弟、姉や妹に不満のひとつフタツみっつヨッツあるものです
そこのところを良く監察して、上手く遺言書を書かれます事をお勧めします。

遺言書は、法律で定められた方式で作成しなければ無効となる可能性があることは多くの方がご存知だと思います。
しかし、遺言書は法律で定められた方式で作成すれば良いという単純なものではありません。
相続人の特徴や関係を良く考えて書くものです!
面倒だなと思われたら、専門家にご相談されます事をお勧めします!

もちろん、アイビー行政書士事務所もご相談に乗りますよ~


ここが分からない・こんな時は?等ございましたらお気軽にメールでご相談ください

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