来年(平成27年)1月1日以降の相続から相続税の基礎控除等が変わりますよね。
相続税払うのはとても裕福な家だけで自分には関係無いと思っていた方も少し慌ててる感じではないでしょうか?
先日、所属する行政書士の支部で一般の方を対象とした終活セミナーを開催した際も想像以上の方が来場されて驚きました。
多分、お目当ては税理士(行政書士と兼業の方)の講義だと思います。ということで今日は、FPの視点から生前贈与に関して少し勉強したいと思います!
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■生前贈与
生前贈与
まず、相続税の改正の中で一般の方に関わりそうな部分のみを抜粋します。
●基礎控除の変更
☆現在☆
5000万円+(1000万円×相続人の数)
☆平成27年1月1日以降☆
3000万円+( 600万円×相続人の数)
★考察★
現在の基礎控除の6割に圧縮される事になります。
※養子は、相続人の数に算入出来る上限がありますので注意下さい。
例えば、相続人の数が2人ですと基礎控除の額が
「7000万円」から「4200万円」になります。
そうしますと、主な相続財産が自宅くらいという方でも不動産の評価額によっては、基礎控除を超える方もでてきますよね。困りましたね。。
●小規模宅地特例の変更(被相続人等の居住の用に供していた宅地等)
☆現在☆
対象範囲は、240平方メートル
☆平成27年1月1日以降☆
対象範囲は、330平方メートル
★考察★
現在より小規模宅地特例の範囲を広げて基礎控除が減って困る人を救済しようと考えられたのでしょうね、きっと。
※補足
既に「二世帯住宅についての要件緩和」と「老人ホームへ入所したことにより被相続人が居住しなくなった家屋の敷地」に関しては、変更済みです。
小規模宅地特例(被相続人等の居住の用に供していた宅地等)を使えば評価額の80%相当額が減額されるので、良かった良かったですね。
しかし、この特例を使う場合には、税務署へ申告しなければなりませんのでご注意下さい。
自分で申告出来ないようでしたら、税理士の先生に相談しなきゃです!
次に生前贈与のお話です。
生前贈与の方法も沢山ありますが、今回は現金を贈与する事に限定して考えます。
父ちゃんから沢山現金貰って相続財産を減らせば良いのか~と言うわけにはいきません!!
相続税から逃げようとすると贈与税が現れてきます。
さて、贈与税には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つあります。
「相続時精算課税」は、一定の要件に該当しなければ利用できません。
☆現在の要件☆
贈与者は65歳以上の者、受贈者は20歳以上の推定相続人
☆平成27年1月1日以降の要件☆
贈与者は60歳以上の者、受贈者は20歳以上の推定相続人及び孫
★考察★
相続時精算課税の要件が緩和されますので、現在は利用出来ない方でも平成27年1月1日以降は利用出来るかもです。
※相続時精算課税を利用した場合には相続財産は減らず、相続が発生した際に相続税が適用されます事にご注意下さい。相続税が発生しない場合に有効な方法と考えられます。
「暦年課税」も、来年から変更になるのです。
☆変更点☆
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「子や孫等の直系卑属へ贈与した場合」と「それ以外」とで税率のテーブルが異なるようになります。 |
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新しい税率区分が追加されます。 |
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最高税率があがります。 |
★考察★
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「子や孫等の直系卑属へ贈与した場合」
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4500万円までは現在の税率と同じ若しくは若干下がります。 |
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「それ以外」
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3000万円までは現在の税率と同じ若しくは若干下がります。 |
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贈与に関しての注意点
現在、生前贈与が以前より多く行われているようです。
きちんと贈与した額が分かるようにしませんと後で贈与税の申告も大変ですし、最終的には相続時に贈与額が不明となってしまいます。
更に贈与とみなされずに相続税が課税される場合も考えられます。
ちゃんと贈与しましたよという証拠の為に、きちんと贈与契約書を作成するようにしましょう!