平成27年1月1日以降の相続では相続税の基礎控除額が減るということをご存知の方、多いと思います。
では、相続税の基礎控除額や税率の変更履歴はご存知でしょうか?
また、相続税の延納や物納についてご存知でしょうか?
「私には相続税の話は関係無い!」と思わずにお読み頂けますと幸いです。
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■最近の相続税の改正概要
■相続税の延納や物納について
■編集後記
最近の相続税の改正概要
相続税の改正概要として【基礎控除額】と【税 率】の変更履歴を記載します。
●平成27年1月1日以降※未来
【基礎控除額】 |
3,000万円+(600万円×法定相続人の数) |
【税 率】 |
10%から55%(8段階) |
●平成15年1月1日~平成26年12月31日※現在
【基礎控除額】 |
5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数) |
【税 率】 |
10%から50%(6段階) |
●平成6年1月1日~平成14年12月31日
【基礎控除額】 |
5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数) |
【税 率】 |
10%から70%(9段階) |
●平成4年1月1日~平成5年12月31日
【基礎控除額】 |
4,800万円+(950万円×法定相続人の数) |
【税 率】 |
10%から70%(13段階) |
●昭和63年1月1日~平成3年12月31日※抜本改正
【基礎控除額】 |
4,000万円+(800万円×法定相続人の数) |
【税 率】 |
10%から70%(13段階) |
●昭和62年12月31日以前※抜本改正前
【基礎控除額】 |
2,000万円+(400万円×法定相続人の数) |
【税 率】 |
10%から75%(14段階) |
今から30年近く前の相続税って最高税率が75%だったなんてびっくりですよね!
しかも基礎控除額少ない。。
相続税の延納や物納について
「この自動車要らないから、これで物納します~」
「お金あるけど、利子税払うから後で納付するね~」
なんて許してくれません。
相続税の延納や物納を行うには一定の要件を満たす必要があります。
●延納の要件
・ |
相続税の額が10万円を超える |
・ |
金銭で納付することが困難、かつ、困難な金額の範囲内 |
・ |
担保を提供すること
(延納税額が50万円未満かつ延納期間が3年以下は担保不要) |
・ |
相続税の納期限又は納付すべき日までに、延納申請書を税務署長に提出 |
●物納の要件
・ |
延納によっても金銭で納付することが困難、かつ、困難な金額の範囲内 |
・ |
相続税の課税価格計算の基礎となった相続財産、かつ、日本国内に所在 |
・ |
相続税の納期限又は納付すべき日までに、物納申請書を税務署長に提出 |
・ |
管理処分不適格財産(換金が困難な財産)では無いこと |
※物納には順位が決められており、先順位の財産が無い場合に限り後順位の財産で物納となります。
☆第1順位☆
国債、地方債、不動産、船舶
☆第2順位☆
社債、株式、証券投資信託、貸付信託の受益証券
☆第3順位☆
動産
さて延納や物納っていったいどれくらいの件数されているのでしょうか?
●延納の件数(平成24年度の実績)
☆申請件数☆
1,450件
☆処理結果☆
許可 |
・・・ |
1,282件 |
取下げ等 |
・・・ |
343件 |
却下 |
・・・ |
30件 |
☆補足☆
処理結果の合計は、1,655件となり、申請件数と合いません。
これは、前年度に処理が完了しなかった610件が今年度に繰り越され今年度に処理が完了しなかった405件が翌年度へ繰り越された為です。
※1,450件+610件-405件=1,655件
●物納の件数(平成24年度の実績)
☆申請件数☆
209件
☆処理結果☆
許可 |
・・・ |
205件 |
取下げ等 |
・・・ |
55件 |
却下 |
・・・ |
45件 |
☆補足☆
処理結果の合計は、305件となり、申請件数と合いません。
これは、前年度に処理が完了しなかった208件が今年度に繰り越され今年度に処理が完了しなかった112件が翌年度へ繰り越された為です。
※209件+208件-112件=305件
延納や物納を選択された件数って意外と少ないように見えますね。
これは相続税を納付しなければならない場合が少ない事も影響していると考えられますので、平成27年1月1日以降には少し増えるかもです。
編集後記
現在より相続税を納付する人は増えると思います。
しかし、相続税対策として色んなコトを行って逆に相続税を普通に支払っていたほうが良かったという結果になる場合もありますので注意が必要です。