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2012年9月19日 相続の開始を知った時っていつ?

亡くなられた方の債務を相続人と債権者が争った判例をご紹介します。

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■判例の解説
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 判例の解説

民法915条1項の「相続の開始があったことを知った時」の定義について争われた事例を解説させて頂きます。
~最高裁判所 昭和59年04月27日 第二小法廷 判決~
下記のような場合にいつ「相続の開始があったことを知った時」と考える
べきなのかについて
の裁判です。
相続人は、被相続人に相続財産が全く無いと思っていた。
その為、相続の承認又は放棄をする手続きを行っていなかった。
被相続人に対しての連帯保証契約による債務の請求を容認する判決が被相続人の死後1年後に被相続人の子へ送達された。
その後、相続の放棄手続きを行った。
~その内容を以下に物語にして説明します。~
登場人物や登場人物が考えた事等は、フィクションです。
ですので、自分の名前と同じだ!などびっくりしないで下さいね。


遺産相続こんなときあなたは・・・事例をご紹介しております



今回の主人公は、吉田さんです。
吉田さんは、定職に就かずにギャンブルに熱中していました。その為、家庭内は不和な状態が続いていました。そんな家庭環境に耐えられずに息子は家を出て行きました。更に、娘達も奥さんと一緒に家を出て行きました。
家族全員がいなくなっても吉田さんは、生活態度を改める事が無かった為、ついに生活保護を受けて生活をするようになりました。

月日は流れ、奥さんは苦労の後に亡くなってしまいました。子供達との交流は、もう10年くらい一切ありません。
そんなある日、吉田さんは友人の借金の連帯保証人となりましたが吉田さんの友達は、お金を返しません。
困った債権者(お金を貸した人)は、連帯保証人である吉田さんが代わりに返済するよう裁判所に訴えました。

裁判所は、債権者の言い分が正しいと認めて判決を言い渡しました。
ところが、裁判所にて判決書の写しを送る前に吉田さんは亡くなってしまいました。
その為、裁判は一時中断状態となってしまいました。
吉田さんが亡くなる直前に息子は、病院にお見舞いに行っています。
しかし、吉田さんは連帯保証人となっている事や裁判となっている事を教えませんでした。
その結果、吉田さんが亡くなった後、子供達は吉田さんに財産が全くないものと思い、相続に関して何も手続きを行いませんでした。

その後、裁判が中断状態となって困った債権者が吉田さんの代わりに子供達に裁判を引き継ぐように裁判所に申立をしました。
裁判所は、吉田さんの相続人である子供達に裁判を引き継ぐ決定をしました。
その連絡と共に吉田さんに送るはずだった判決書の写しも送りました。(吉田さんが亡くなって約1年後に送られました。)

このとき、初めて子供達は、吉田さんに負債があった事を知り、大急ぎで家庭裁判所へ相続放棄の申述を行いました。
子供達は、これで一安心と思っていたのですが・・・

<債権者の主張>
民法915条1項の「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」に関して以下のように主張
1. 「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは吉田さんが亡くなった事を知った時であるはず。
2. その為、3箇月以内に相続の放棄が行われていないので吉田さんの負債を相続するはず。

<結果>
主張1.に対して
裁判所からの連絡があるまで連帯保証債務の存在を認識することが著しく困難であり、相続財産が全く存在しないと思った事に相当な理由があると認められる為、「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、裁判所から判決書の写しが子供達に送られてきた時であるとされました。
主張2.に対して
裁判所から判決書の写しが子供達に送られてきた時から3箇月以内に相続の放棄が行われているので、吉田さんの負債は相続しないとされました。

~こうした争いを防げないか?~

●負の財産がある場合にも、遺言書を作成しておく
遺言書ではなく、直接相続人に負債を伝える事ができれば良いのですが負債がある事を伝えたくない場合には、必ず遺言書などで自分の死後に相続人が迷惑しないようにする事は義務だと思います。
今回の事例では、負債を相続しないで済んでいますが、裁判所が「相続人の相続財産の調査結果、負債があると分かるのが著しく困難であり、分からなかったのには相当な理由があると」認めてくれないと相続人は負債を相続する事になります。
また、仮に裁判所が認めてくれたとしても相続人は、大きな精神的苦痛を味わう事になります。

◆参考文献◆
有悲閣 家族法判例百選第7版 158、159頁
民法915条1項の「自己のために相続の開始があったことを知った時」の意義(小賀野昌一)



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