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2012年9月12日 特別方式の遺言

遺言の方式の中でも、実際に特別方式の遺言をされる方は少ないと思いますがその少ない中にも裁判で争う事になったケースがあることをお伝えしたいと思います。
また、特別方式の遺言に関しても簡単にご説明いたします。

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■判例の解説
死亡危急者遺言の効力
特別方式の遺言とは?

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 判例の解説

死亡危急者遺言の効力が争われた事例を解説させて頂きます。
~最高裁判所 昭和47年03月17日 第二小法廷 判決~
下記のような死亡危急者遺言の効力についての裁判です。
危急時遺言の遺言書に記載された作成日付が正確性を欠く場合
危急時遺言の遺言書に対する証人の署名捺印が遺言者の面前でなされなかった場合
~その内容を以下に物語にして説明します。~
 登場人物や登場人物が考えた事等は、フィクションです。
 ですので、自分の名前と同じだ!などびっくりしないで下さいね


遺産相続こんなときあなたは・・・事例をご紹介しております




金田さんは、長年の過労のせいで倒れてしまいました。どうやら、あまり良い状態ではないようで、大学病院に入院となりました。残念な事に入院したものの、病状は悪くなるばかりです。
金田さんは、もう長く生きられないと考え、遺言をしたいと思いました。しかし、遺言書を自分で書くだけの体力がもうありません。

そこで、「危急時遺言」の方式にて遺言をする事を友人(鈴木さん・山岡さん・木村さん)に頼みました。

遺言書の作成は、以下のように行われました。
1. 金田さんの病室で1月27日深夜から28日零時すぎにかけて金田さんの遺言を鈴木さんが聞き役となり、山岡さんが内容をメモ。
所有不動産等を「妻」「先妻との間の子」「その他の人」へ
遺言執行者を秋田弁護士にお願いしたい
など。
2. 山岡さんは、1月28日午前中に自宅でメモを清書し署名捺印。
遺言書の作成日時は、1月28日午前零時15分と記載。
3. 1月28日夕方に鈴木さんと木村さんも署名(但し印鑑が無かった為捺印は行わなかった)。
4. 1月28日夜、金田さんの病室にて清書された遺言書を鈴木さんが読み、金田さんの確認を得た。
5. 1月29日午前中に秋田弁護士(遺言執行者)の事務所で鈴木さんと木村さんが捺印。
※※※その際に誤字訂正と付加記載を行う※※※
・誤字訂正
「遺産します」とあるのを「遺言します」と一字訂正
・付加記載
「但し遺言者は重態の為め署名捺印は出来ない」と附加記載

金田さんはその一週間後に亡くなりました。
その後、「先妻との間の子」が上記の遺言書が遺言書の方式に違反しているから、遺言書は無効であると遺言の無効確認請求訴訟を提起しました。

<先妻との間の子の主張>
1. 署名捺印と訂正や付加記載が完了していない日付(1月28日)を作成日付とするのは不真実の日付を記載した瑕疵がある。
2. 証人の署名押印が遺言者の面前で行われなかった事や訂正部分が遺言者に読み聞かせられなかった事は民法976条に違反している。

<結果>
主張1.に対して
遺言をした日付や証書を作成した日付を記載する事は、危急時遺言の方式として民法で要求されていないとして、記載された日付が不正確であったとしても遺言書が無効となる事は無いとされました。
主張2.に対して
署名捺印に関しては、筆記内容を改変した疑いを挾む余地がない事情のもと遺言書作成の一連の過程に従い遅滞なく行われているので、その事をもって遺言書が無効とは認められませんでした。
また、訂正部分についても、単なる誤字の修正と遺言内容とは関係ない付加記載である為、遺言書が無効とは認められませんでした。


~こうした争いを防げないか?~

●事前に遺言書を作成しておく
時間が無かった為、訂正した内容の確認が出来なかった事や署名捺印の方法にグレーな箇所があった事が訴えを提起させる要因となったのではないかと思われます。
まだまだ健康な時に法的に問題の無い遺言書を準備しておくことで裁判で争う事を抑止する効果があるのではないかと思います。
その際には、是非とも遺族へのメッセージを書くようにお願いします。そのメッセージを見たら「先妻との間の子」も遺言書で指定された財産の分割内容に理解をしてくれたのではないかと思われます。

◆参考文献◆
有悲閣 家族法判例百選第7版 170、171頁
死亡危急者遺言の方式(山本顕治)
有悲閣 家族法判例百選第6版 166、167頁
死亡危急者遺言の方式(久貴忠彦)


 特別方式の遺言とは?

まず、遺言の方式は大きくわけて「普通方式の遺言」と「特別方式の遺言」の
2つの方式があります。

「普通方式の遺言」
自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類です。
(詳細は別の機会にご説明します。)

「特別方式の遺言」
死亡危急者遺言(民法第九百七十六条)※今回の判例で争われた遺言
→遺言者が死の危険がさし迫っている場合にする遺言。
【要件】
1.証人三人以上の立会い
2.遺言者が遺言内容を口述
3.証人が口述を筆記し読み聞かす
4.証人が署名捺印する
伝染病隔離者の遺言(民法第九百七十七条)
→場所が特殊な場合にする遺言。
遺言者に死の危険がさし迫っているわけではありません。
【要件】
1.警察官一人と証人一人の立会い
※遺言書の作成は本人
在船者の遺言(民法第九百七十八条)
→船舶中にいる者の遺言。(場所が特殊な場合にする遺言。)
【要件】
1.船長または事務員一人と証人ニ人の立会い
※遺言書の作成は本人
船舶遭難者の遺言(民法第九百七十九条)
→船舶が遭難し、遺言者に死の危険がさし迫っている者の遺言。
【要件】
1.証人ニ人以上の立会い
2.遺言者が遺言内容を口述
3.証人が口述を筆記し署名捺印する
※補足
上記の「特別方式の遺言」は、遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになった時から六箇月間生存するときは無効となります。(民法第九百八十三条)


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